マテリアルステージ(東2ホール会場内)

2019年1月30日(水)

JFlex:身体と機械をつなぐ「人間拡張技術」

 
MEMSとLSIと実装とを極めた先に広がるエッジヘビーセンシングの世界の可能性
10:20-11:00

室山 真徳

東北大学

マイクロシステム融合研究開発センター

准教授

室山 真徳

【講演者プロフィール】

博士(工学)。九州大学時代には,組込みシステムとしてのMPUからソフトウェアまで含めた低消費電力化技術を研究。専用LSIを複数設計した。東北大学に異動後は,主に次世代ロボット用触覚センサネットワークシステム実現のため,LSI,MEMS,ソフトウェア,システム全体を統括しつつ研究開発を行っている。現在,エッジヘビーセンシングを提唱し,社会実装を進めている。

【講演概要】

今の求められているのはエッジにおけるリアルである。ロボット,人,車などのエッジにおいて,画像以外の情報も徹底的に取ることで,身体と機械をより自然に繋いだり,機械に我々の代替作業を行わせたりすることが可能となる。例えば人間が持つ皮膚感覚に比類する触覚センサ。我々の家庭内で活躍するロボット,工場で人と協調するロボットもしくは我々自身に触覚センサを付与することで皆が救われる。MEMS,LSIと実装とによりエッジのリアルが手に取るようにわかるエッジヘビーセンシングを実現し,その場しのぎではない根本的な解決ができるようになる世界について,我々の取組みも交えながら紹介する。

人類を身体の制約から開放するサイボーグ技術と新たな材料特性へのニーズ
11:10-11:50

粕谷 昌宏

株式会社メルティンMMI

代表取締役 / 博士 (工学)

粕谷 昌宏

【講演者プロフィール】

1988年生まれ。創造性の追求において身体がボトルネックとなることに1991年に気づき、2002年からサイボーグ技術の研究を開始。2006年に早稲田大学理工学部に入学、翌年に初めての論文を執筆。2011年に日本ロボット学会研究奨励賞を受賞、日本学術振興会特別研究員を経て2013年にMELTIN創業。2016年に博士号を取得、回路/機構設計、プログラミングと幅広く開発をカバーする。2018年にはForbesより注目すべきアジアの30人に選出。

【講演概要】

MELTINでは現在サイボーグ技術の実用化に向けて研究開発を行っている。サイボーグ技術が実用化されれば、移動やコミュニケーションの速度、体の形や機能といった、人間の活動を制限している身体的な要素が取り除かれ、人間の活動において身体がボトルネックとならない世界が開かれる。MELTINのサイボーグ技術は生体信号処理アルゴリズムとワイヤー駆動によるロボット技術からなる。サイボーグでは、あくまで人間が主体となり制御を行うため、材料や部品の要求仕様はこれまでの産業ロボットやエンターテイメントロボットとは全く異なるものとなる。本講演ではMELTINの企業ビジョンおよび目標、技術の実現に至るコア技術とそのアプリケーション、これから求められる材料や部品のニーズについて紹介する。