マテリアルステージ(東2ホール会場内)

2019年1月31日(木)

JFlex:フレキシブルデバイスで実現するSociety 5.0

 

基調講演

 

5G時代に求められるデバイスについて~電子デバイスは5G時代突入で変化し成長する!!
11:15-12:05

泉谷 渉

株式会社産業タイムズ社

代表取締役社長

泉谷 渉

【講演者プロフィール】

1977年産業タイムズ社に入社して以来、30年以上にわたり第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者。主な著書は『自動車世界戦争』『日・米・中IoT最終戦争』『半導体業界ハンドブック』(以上、東洋経済新報社)、『これが半導体の全貌だ』、『これがディスプレイの全貌だ』、(以上、かんき出版)、『世界の温度の標準は日本のチノーが決めている』(産業タイムズ社)など27冊。日本電子デバイス産業協会(NEDIA)副会長。

【講演概要】

超高速通信の5G時代突入で、4Gインフラに対して速度10倍、ディレイタイム1/10、接続可能機器100倍以上というサプライズが生まれる。電子デバイスに求められる特性は超高周波、超高速、そして圧倒的な低消費電力である。そしてまた、実装面積縮小にともない、フレキシブル特性も重要になる。今回の講演では、半導体、プリント基板、ディスプレー、電子部品などの構造変化と今後の設備投資計画を展望する

手軽な脳波センサの社会実装
12:15-12:55

関谷 毅

大阪大学

栄誉教授

関谷 毅

【講演者プロフィール】

2003年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、博士(工学)を得たのち、同年 東京大学大学院工学系研究科助手、2007年 同助教、2010年 同講師、2011年 同准教授を経て、2014年 大阪大学産業科学研究所教授、現在に至る。2017年 大阪大学栄誉教授の称号付与。

2016年日経ビジネス「次代を創る100人」選出、2014年トムソン・ロイター「高被引用論文著者(世界で影響力を持つ科学者)」に選出など、35件を超える受賞歴。

【講演概要】

本講演では、シート型脳波センサ技術とその社会実装についてご紹介いたします。超少子高齢社会を迎えた我が国において、認知症など脳関連疾患は喫緊の課題です。脳の健康を自宅で守るためには、体温計や血圧計のように「手軽な脳波センサ」が欠かせません。関谷らは柔軟で柔らかく、伸縮自在なシート型のエレクトロニクス技術と機械学習を用いた信号処理技術の融合により、おでこに貼り付けるだけで脳活動を正確に計測できるセンサシステムの開発に成功いたしました。ご家庭での「脳のヘルスケア」のみならず、脳波を活用した商品開発(ニューロマーケティング)や睡眠・注意力モニタリングなど、さまざまな脳活動計測の応用例を紹介いたします。材料やデバイスといった部品の開発にとどまることなく、システムまで組み上げることで実現されるデータ駆動型のモノづくり、価値づくりについて紹介いたします。

フレキシブル電源技術の動向
13:05-13:45

竹内 敬治

株式会社NTTデータ経営研究所

社会・環境戦略コンサルティングユニット

シニアマネージャー

竹内 敬治

【講演者プロフィール】

京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、大手シンクタンクなどを経て、2010年5月より現職。エネルギーハーベスティングコンソーシアムを設立し、事務局長を務める。JST A-STEP「IoT、ウェアラブルデバイスのための環境発電の実現化技術の創成」プログラムオフィサー、JST CREST・さきがけ複合領域「微小エネルギーを利用した革新的な環境発電技術の創出」領域運営アドバイザー、金沢大学客員教授・事業プロデューサなどを兼務。

【講演概要】

フレキシブルデバイスの構成要素のうち、センサやプロセッサ、メモリなどは微細化が可能であるが、電源は微細化ができない。空間や材料のエネルギー密度、パワー密度には物理的限界があるので、エネルギーを授受・蓄積するためには、どうしても面積や体積が必要となるからである。したがって、フレキシブルデバイスの電源技術にもフレキシビリティが必要となる。
本講演では、フレキシブルな一次電池、フレキシブルな蓄電デバイス(二次電池、キャパシタ)、フレキシブルなエネルギーハーベスティング技術(環境中の光、振動、温度差などから発電する技術)、フレキシブルなワイヤレス給電技術など、フレキシブルデバイスの電源として利用可能な技術の動向を俯瞰する。

ソフトロボティクスの課題と新材料/新デバイスへの期待
13:55-14:35

川村 貞夫

立命館大学理工学部ロボティクス学科 / 立命館大学総合科学技術研究機構ロボティクス研究センター

川村 貞夫

【講演者プロフィール】

1981年大阪大学基礎工学部生物工学科卒業,1986年同大学基礎工学研究科大学院博士課程修了(工学博士),1996年立命館大学ロボティクス学科教授,2003年~2006年立命館副総長・立命館大学副学長,2011年~2012年日本ロボット学会会長,2006年~日本学術会議連携会員,2015年~日本学術会議ロボット学分科会委員長,日本ロボット革命イニシアティブ協議会会員,2018年㈱チトセロボティクス副社長

【講演概要】

 従来,ロボットは金属材料により実現され,その解析と設計は剛体の力学と制御を基盤とする.しかし,このような剛体基盤のロボティクスの問題点も顕在化し,今後は機構的な柔軟性が必要となっている.このようなソフトロボティクスは世界的な潮流となり,学会発表などは急速に増加している.一方,実用化までを想定した場合には,ソフトロボティクスの課題は数多く存在する.特に,いままで利用できていない新材料/新デバイスの導入をより一層促進する必要がある.本セミナーでは,ソフトロボティクスの世界的状況/課題の説明と課題解決のための新材料/新デバイスへの期待を幾つかの例を示しながら説明する.

自動運転のためのセンシング技術
LiDAR
14:45-15:25

伊東 敏夫

芝浦工業大学

機械制御システム学科

教授

伊東 敏夫

【講演者プロフィール】

2013年までダイハツ工業株(株)でカーエレクトロニクスの研究開発に従事。
電子技術部部長、情報システム部部長、ISO/TC204/WG14日本代表を歴任。
2013年から芝浦工業大学で運転支援システム研究室を運営し研究教育に従事。
自動運転システムの研究開発(画像処理、LiDAR、制御、HMI)に取り組み中。

【講演概要】

自動運転を実現するために必要な最重要技術の一つは、車載の外界センシング技術である。外界センシング技術は既に単眼カメラ、ステレオカメラ、ミリ波レーダー等種々のものが実用化されているものの、今後更に実用化が望まれるものがレーザー光の送受信を使って対象物体の認識と測距を行うLiDAR(ライダー)である。本講では、車載外界センさーの歴史的背景からなぜLiDARが望まれるようになったかを紹介し、LiDARの原理と課題について述べる。