マテリアルステージ(東2ホール会場内)

2019年2月1日(金)

透明材料の機能化 ~第33回Clayteamセミナー~

 
透明ポリイミドの機能化動向
透明耐熱ハイブリッド材料
12:45-13:25

山下 俊

東京工科大学

工学部応用化学科

教授

山下 俊

【講演者プロフィール】

東京大学大学院工学系研究科修了、東京大学先端科学技術研究センター、東京大学大学院工学系研究科、マサチューセッツ工科大学、東京理科大学をへて現職。博士(工学)。英国王立化学会フェロー。

【講演概要】

近年ICTデバイスのフレキシブル化に伴って透明耐熱材料の開発が求められている。ポリイミドは優れた耐熱性と力学物性をもつ材料であるが電荷移動により着色している。そこで、電荷移動を抑制することにより無色透明ポリイミドとなる。この透明ポリイミドと無機フィラーをハイブリッド化させることにより付加機能をもつ透明耐熱材料となる。分子設計の基礎から応用例までを解説する。

プラズマCVDによる原子層グラフェンの高スループット合成
13:30-14:10

長谷川 雅考

産業技術総合研究所

ナノ材料研究部門炭素系薄膜材料グループ

研究グループ長

長谷川 雅考

【講演者プロフィール】

現在、国立研究開発法人産業技術総合研究所ナノ材料研究部門炭素系薄膜材料グループ研究グループ長.1990年京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了(工学博士).グラフェン、ナノ結晶ダイヤモンド薄膜、ダイヤモンド薄膜等の炭素材料のCVD合成技術開発に従事.

【講演概要】

ここ数年グラフェンは合成技術、量産技術、用途開発などすべての方面において大きく進展しています。本講演では産業技術総合研究所が進めるプラズマCVDを用いた原子層グラフェンの高スループット合成技術開発を紹介します。透明導電フィルムを中心に工業材料としてのグラフェンの魅力や用途開発の様々な取り組み、そして産業化を目指したチャレンジなどについて議論します。

PETフィルム用機能性水系コーティング剤
14:15-14:45

森田 達

高松油脂株式会社

研究開発部

研究開発部次長

森田 達

【講演概要】

当社はプラスチックフィルムや繊維などの表面を改質する機能性コーティング剤を開発している。特に環境保護の観点から水系にこだわったものづくりを進めており、ポリマー重合技術、ナノ分散技術、及び、異種材料同士のコンポジット化技術を駆使して、商品群を開発、製造している。今回、透明なPETフィルムを対象にした機能性コーティング剤について紹介する。

粘土膜を表面塗工した難燃性及び光透過性を有したガラス繊維強化プラスチック
14:50-15:20

株式会社宮城化成

企画開発部 企画開発課

伊藤 佑輝

クレイ/ポリマーの透明ナノコンポジットの特性を予測するためのマテリアルインフォマティクスを取り入れたマルチスケールモデリングプラットフォーム
15:25-15:55 英語

チャトパドヒェー アビジット

DASSAULT SYSTEMES Japan, BIOVIA

シニア ソリューション サイエンティスト

チャトパドヒェー アビジット

【講演者プロフィール】

Ph. D. in Physico-analytical Chemistry from Burdwan University, INDIA in 1992. In the last decade, he has been working on materials from catalysis to battery to semiconductor to support material science R&D using molecular modeling and informatics in Asia Pacific. Before he joined Dassault Systemes, he had been doing materials science research in India, USA and Japan (Tohoku University, AIST).

【講演概要】

私たちの生活は様々な材料と関わっており、いかに高機能な材料を設計するかが重要です。検証された材料データが不足している場合、データモデリングにより新材料を創製するための良質なデータを作り出す、効率の良いシミュレーションが必要です。分子構造に基づく分子シミュレーションやメソスケールシミュレーションはこのような目的に対して有効で、凝集や濡れ性、機械特性、拡散、表面における接着、相分離などに適用することができます。さらに得られた材料構造は均質化法を用いて有限要素(FE)法へと繋ぐことが可能です。このようなサイエンスをベースとしたマテリアルインフォマティクス(MI)プラットフォームについて、持続可能性の鍵となる材料としてクレイ/ポリマーの透明ナノコンポジットを取り上げて事例を紹介します。